Making Money in the Fitness Businessについて

表題の『Making Money in the Fitness Business』は1999年に米国のフィットネスマネージメント社から出版された本の題名です。

16年前の当時、小生が所属していた旧ピープル/旧ナプス(現コナミスポーツ&ライフ)が日本のフィットネスビジネスを牽引していた時代でもあり、アメリカのフィットネス事情を知るべく結構頻繁にアメリカを訪れていました。ちょうどそんな折にこの本の筆者Thomas Plummerの存在を知り彼のオフィスを訪ねる機会を得ました。2003年12月2日に小生が独立した時の会社設立趣意書にはこのThomas Plummerの概念を目指したものと記しています。詳しくは追々述べていきますが、その序章に今から16年前とは思えぬほどのビジネス観が記されているので今回紹介させていただきます。

ポイントは5点です。

①フォーカス(焦点):今日のフィットネス市場で全ての人に対して全ての供給は無理です。ほとんどの主要な業種やマーケットは何でも屋から専門家へと進化しました。メーシーズやシアーズローバックのような小売大手もエディーバウアーやビクトリアシークレットのような専門小売店にとって代わられています。弁護士や医者も一般業務から狭い範囲に特定した専門家へと移行しています。フィットネス業界も同様に、将来に向け成長、発展しなければなりません。しかし、多くのオーナーはいまだに、「一施設で全てをこなす」を実践しています。

②数値による運営と経営:オーナーが機能的な事業計画を立てるときに利用すると役立つ公式や数値があります。例えばもしオーナーが、一人の会員からの収益、ロス率、各収益センターから予想される純益などを理解していればよりよいビジネスの決断をできるでしょう。これらはどれほどのクラブの出費が受取勘定でカバーされる必要があるのかや、新規の売上への依存を減らすためにクラブの収入の何パーセントが収益センターから来るべきかなどを決める重要な比率でもあります。事業の財務面をよりよく理解することで、いかに古い習慣から抜け出せるかを理解できます。

③スタッフ:これからの10年(因みにこの原稿は1990年代後半のもの)で、スタッフは扱いが最も難しい問題になるでしょう。あなたがいかに従業員を雇い、研修し、動機付け、解雇するかがあなたの成功度を決めるでしょう。ある時点でほとんどのジムが同じ設備とプログラムを持つようになるでしょう。クラブ間の差異はフォーカスの置き方と、ジム内で働くスタッフです。最良のスタッフを持つクラブが勝利します。

④サービス:まだ、会員サービスの定義と供給をどうするかには触れていません。真の会員サービスを維持するのは高くつくし、生み出すのは困難です。それもクラブオーナーの実業的な性格のせいです。実業家的なとは仕切りたがりということです。典型的なオーナーのまさしくその体質が、会員が提案したり、弱点を指摘したりする妨げになります。繁栄するためには会員サービスを単に設備のそろった大きな部屋とか無料のコーヒーとかいったことを越えたところで定義していかなければなりません。会員サービスは会員に対してどれほど無料物を提供しているかではありません。それは会員が利用できるプログラムやサービスそして施設の質とイメージです。

⑤マーケティング:伝統的なフィットネスのマーケティングはアピールに限界があって今はうまくいきません。この国では92%の人がヘルスクラブに足を運んだことが無いと見られています。典型的なフィットネスのマーケティングはフィットネス経験のある8%に受けるだけで、クラブの潜在的市場先としての92%に対してはなんの効果もありません。

フィットネス業界は全体としては問題視されている多くの間違った思い込みを取り除いています。この本ではこれらのフィットネス事業の迷信をに明らかにします。例えば、ほとんどのオーナーは典型的な会員希望者は価格のみを気にかけていると強く信じています。何故それを信じ、自分らの事業計画の基本にするのでしょうか。明らかにおかしいのに!値段に刺激される人はいます・・・一人が何を買い、どう生きるかの決め手の要素ですから。しかしより良いものを求めてよりお金を出す人も同じくらいいるのです。ジオメトロ(アメリカの大衆車)もあればベンツもあります。ノードストローム(高級百貨店)もあればウォールマート(安売小売チェーン)もあるのです。問題はオーナーが信じている、世界中の人は全て値引きを求めるウォールマート型だという間違った前提です。大型のフィットネスクラブチェーンが広告でこの思いこみをみせていて、他のものもそれに従っています。消費者に価格のことを考えさせているのは価格そのもではなく、価格設定や販売、マーケティングのシステムです。この間違った前提への信仰のため、大半のフィットネス施設のオーナーにとって価格の付け方が20年以上も変化していません。私は変化は可能だし、この間違った前提は真のビジネス原則へと変えることも可能だとわかっています。また変化が痛みを伴うこともわかっています。他の業界においても、変化とは自分が変化を進めると他のものたちとぶつかることになることを意味します。誰かがしなければなりません。願わくば、この本を読まれた方がまだ未熟なフィットネス業界を次世紀へと発展させればという思いです。

Thomas Plummer,Frisco,Colorado  1998年8月

『温故知新』・・・現在はイオングループに吸収されたマイカルグループの子会社としてスタートしたピープルから始まった小生のフィットネス人生も今年で42年(転勤のためブランクあり)・・・Thomas Plummerの言う次世紀も17年過ぎました。小生の経験と先進国アメリカのフィットネスの先達の知識を これから伝えて行きたいと思います。日本のフィットネスビジネスを大いに変化させ、発展させる一助になれば幸甚です。

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